故事成語類:「肯綮に中る」のは、良いこと?悪いこと?

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●肯綮の「肯」は「骨についた肉」のこと、肯綮の「綮」は「筋と骨のいりくんだところ」。それが転じて、「肯綮(コウケイ)」は、物事の急所、大切な所、事の要所を指す言葉になり、要所・急所に触れることを「肯綮に中(あた)る」というようになったとか・・・。
●今は、肯と綮の読みは、「肯:中学:コウ 準1:がえん(じる)、うなず(く)、うべな(う)、あ(えて)」「綮:ケイ、はたじるし、かなめ」ですから、語源にあたらないとなかなか理解しがたい漢字ですね。
●もともとの出典は、「荘子・養生主(ようじょうしゅ)」。魏(のち、梁)の文恵君(恵王)が、古代の有名な料理人である包丁(ホウテイ)の芸術的な牛のさばき方を観て感嘆したときに、包丁が説明した言葉の中に載せられています。全文は対象外漢字もあるしちょっと読みづらいので、”肯綮”の部分のみ抜萃(^^)
●(・・・私が志しているのは「道」であって技術以上のもの・・・最初のころは牛の姿ばかり目にうつりましたが、そのうち、牛の姿は見えなくなり、今では、精神だけが動き、自然の筋目のままに料理して、何の無理もしていません・・・ですから、)「技は肯綮を経る(こと)も未だ嘗てせず、而るを況んや大軱(タイコ)をや。・・・」(大軱(タイコ・ダイコ):大きな骨。)
➪「・・・したがって、一度も刀を肯綮にあてたことはございません。大骨にあてるようなことがないのはいうまでもありません・・・(だからわたくしは他の料理人と違って、牛刀が十九年も刃こぼれしないのです。)
●庖丁(ホウテイ):「丁」は名前とも「おとこ」の意とも。いずれにしても庖丁とは庖人の丁という意味。現在では料理人の意で用いられる。日本では、ここから、料理人の刃物のことを包丁(ほうちょう)というようになったとか・・・。
●荘子ですから、牛の料理の仕方に寓けて、天然自然の生き方を説いた故事と云えますね。類句に「庖丁(ホウテイ)、牛(うし)を解(と)く」
●この故事や荘子の考え方からしたら、 「肯綮に中る」ような生き方や考え方は、あまり良くないことなのではないかとも考えてしまいます(^^;)
おっ、なかなか肯綮に中っているねえ・・・」なんて、人の褒め言葉として使えそうですけど、道家の思想や天然自然の生き方を指向している人からしたら、「あ~あ、肯綮に中っちゃっているじゃん」なんて、馬鹿にされたような使い方になるのかもお~($・・)/~~~

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