日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

<漢検1級 27-③に向けて その54>
●今回は易しいかも・・・初合格をめざすチャレンジャーは80%(24点)前後が目標・・・。
●文章題㉓:次の文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。(30) 書き2×10 読み1×10
「濹東綺譚」(永井荷風)
「・・・九月も半ばちかくなったが残暑はすこしも退かぬばかりか、八月中よりも却って烈しくなったように思われた。(1)スダレを(ア)撲つ風ばかり時にはいかにも秋らしい響を立てながら、それも毎日のように夕方になるとぱったり(イ)凪いでしまって、夜はさながら関西の町に在るが如く、(ウ)深けるにつれてますます蒸暑くなるような日が幾日もつづく。
草稿をつくるのと、蔵書を(エ)曝すのとで、案外いそがしく、わたくしは三日ばかり外へ出なかった。
残暑の日盛り蔵書を曝すのと、風のない初冬の午後 庭の落葉を(オ)焚く事とは、わたくしが独居の生涯の最も娯しみとしている処である。(カ)曝書は久しく(2)コウカクに(キ)束ねた書物を眺めやって、初め熟読した時分の事を回想し時勢と趣味との変遷を思い知る機会をつくるからである。落葉を焚く楽しみは其身の(3)シセイに在ることをしばしなりとも忘れさせるが故である。
・・・わたくしは若い時から(4)シフンの巷に入り込み、今にその非を悟らない。或時は事情に捉われて、彼女達の望むがまま家に納れて(5)キソウを把らせたこともあったが、然しそれは皆失敗に終った。彼女達は一たび其境遇を替え、其身を卑しいものではないと思うようになれば、一変して教う可からざる(6)ランプとなるか、然らざれば制御しがたい(7)カンプになってしまうからであった。
・・・濹東綺譚(ぼくとうきたん)はここに筆を(ク)擱くべきであろう。然しながら若しここに古風な小説的結末をつけようと欲するならば、半年或は一年の後、わたくしが偶然思いがけない処で、既に素人になっているお雪に(ケ)廻り逢う一節を書き添えればよいであろう。猶お又、この偶然の(8)カイコウをして更に感傷的ならしめようと思ったなら、摺れちがう自動車とか或は列車の窓から、互に顔を見合しながら、言葉を交したいにも交すことの出来ない場面を設ければよいであろう。(9)フウヨウ(10)テキカ、秋は(コ)瑟々たる刀禰河(とねがわ)あたりの渡し船で摺れちがう処などは、殊に妙であろう。・・・」
👍👍👍 🐑 👍👍👍


(1)簾 (2)高閣 (3)市井 (4)脂粉 (5)箕帚 (6)懶婦 (7)悍婦 (8)邂逅 (9)楓葉 (10)荻花
(ア)う (イ)な (ウ)ふ (エ)さら (オ)た (カ)ばくしょ (キ)つか (ク)お (ケ)めぐ (コ)しつしつ
👍👍👍 🐑 👍👍👍