syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その8

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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>

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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題(27-③用) その8 >  制限時間 60分以内を厳守のこと

(一) 次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.壎篪相和す
2.緡緡として愚の如く、昏の如し
3.夥しい流氓が蝟集する
4.草薙禽獮、亦、今だ晩しとせず
5.草薙禽獮、亦、今だ晩しとせず
6.幸いにも余贏にあずかる
7.波浪騰涌し、湯湯焉たり
8.窮巷に起ち、棘矜を奮う 
9.孛彗が尾を曳いて流れる
10.議論回曲牽強にして、其の人の獰狡なるを見るべし
11.数斟にして既に復た酔う
12.虫飛んで薨薨たり
13.によりて忠烈を奮う 
14.萵苣を食す
15.迥路、険にして且つ阻なり
16.酒壜空し 
17.洒如として饗儀を執行する
18.戦国の伯者たり
19.家祭 忘る無かれ 乃翁に告ぐるを
20.烽火 岡巒に被る
21.好いに恵まれた
22.の着物を着る
23.これは見事なの馬だ
24.と旱魃の被害に悩まされた
25.供物を供えて、神をった
26.アキレスのが断裂した
27.梅干を小壜に漬けた
28.あのまで行ってみよう
29.このには貒がいるとのうわさがある
30.このは木から作られている

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。(30)2×15
1.年老いてもカクシャクとしている
2.彼はビョウルイの身にあった
3.地に伏してホフク前進する
4.サゾ、大変な事だったでしょう
5.心身ともにモウロクしてきた
6.原稿を推敲して、文章全体をカイサンする
7.彼の挙措はいつもサッソウとしている
8.実にコウケイに中たった剴切な考えだ
9.シンゲンは戒めとなる短い句だ
10.シンゲンとした境内を散策する
11.身分をセンショウする
12.故人のセンショウを踏まえて、更なる高みをめざす
13.国からショウジを賜ったのは末代までの誉れだ
14.けわしい山がショウジしている
15.ショウジ、休憩とします *「少時」意外の熟語を記載のこと*

(三)次の傍線部分のカタカナを国字で記せ。(10)2×5
1.シボリ染めは染色法の一つだ
2.反物をシンシ張りで乾かす
3.エリは定置網漁の一種だ
4.ご提言、シカと承る
5.スバシリは鯔の稚魚だ

(四)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び.1、漢字で記せ。(10)2×5
1.腕前の劣ること
2.君主のお気に入りのそばめ
3.夫婦の縁組  
4.一度出した命令を取消または改めること
5.自分の筆跡・文章の謙譲語
<語群>
(てっかい、たんぴ、ふごう、ないしょう、こんこう、はんかん、ないへい、せつごう)

(五)次の四字熟語について、問1と問2に答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
1.ア.篳路(  )
2.イ.星羅(  )
3.ウ.亮遺(  )
4.エ.親近(  )
5.オ.彫虫(  )
6.カ.(  )伉儷 
7.キ.(  )虎踞 
8.ク.(  )溷濁
9.ケ.(  )斂散
10.コ.(  )之竜 
<語群>
(きんかく、えいかい、ぎょうき、らんる、しょうこう、ちょうてき、りょうばん、きふ、くんしゃ、てんこく)

問2 次の11~15の解説・意味にあてはまるものを、問1のア~コの四字熟語から一つ選び、記号(ア~コ)で記せ。(10)2×5
11.詩作などで細かな技巧にはしること
12.地形のけわしいさま
13.名を好んで実を好まないたとえ
14.大変苦労してはたらくこと
15.親しく接してその感化を受けること

(六)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.山茶 2.牛皮凍 3.海鼠子 4.玉環菜 5.馬尾藻 6.縮縫 7.沢瀉 8.肌理 9.葉盤 10.牛縻

(七)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.眷恋 ― 2.眷う
イ.3.笞擽 ― 4.擽つ
ウ.5.扞格 ― 6.扞ぐ 
エ.7.馘耳 ― 8.馘る
オ.9.糺問 ― 10.糺す

(八)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
<対義語>
1.夭逝 2.看経 3.穏座 4.孀婦 5.裨益
<類義語>
6.嘉尚 7.邪悪 8.迅瀬 9.犢鼻褌 10.晴霄
<語群>
(かんとく、そくい、きゅうたん、かんぷ、えんざ、かほう、ふぎん、かれい、へきてん、とどく)

(九)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10

1.寧ろ蘭摧玉折を為すも、蕭敷ガイエイと作さず
2.クドウを行く者は至らず
3.酒は天の美禄、天下をイヨウす 
4.コウヤの明後日
5.コソウは移らず
6.チュウサクを帷幄の中に運らし勝を千里の外に決す  
7.ヒツを買い珠を還す  
8.道、を拾わず  
9.ホウテイ、牛を解く  
10.ゴンジャにも失念 

(十)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10

「・・・妖怪(ばけもの)の世界にあっては、身体と心とが、人間の世界におけるほどはっきりと分かれてはいなかったので、心の病はただちに烈しい肉体の苦しみとなって悟浄を責めた。堪えがたくなった渠は、ついに意を決した。「このうえは、いかに骨が折れようと、また、いかに行く先々で愚弄され哂われようと、とにかく一応、この河の底に栖むあらゆる賢人、あらゆる医者、あらゆる占星師に親しく会って、自分に納得のいくまで、教えを乞おう」と。 渠は粗末な(ア)直綴を纏うて、出発した。
・・・最初に悟浄が訪ねたのは、黒卵道人とて、そのころ最も高名な幻術の大家であった。あまり深くない水底に累々と岩石を積み重ねて洞窟を作り、入口には斜月三星洞の額が掛かっておった・・・洞の奥で(1)キョゴウの背に座った黒卵道人も、それを取り囲む数十の弟子たちも、口にすることといえば、すべて神変不可思議の法術のことばかり。また、その術を用いて敵を欺こうの、どこそこの宝を手に入れようのという実用的な話ばかり。悟浄の求めるような無用の思索の相手をしてくれるものは誰一人としておらなんだ。結局、ばかにされ、哂いものになった揚句、悟浄は三星洞を追い出された。
(注)キョゴウ:大きな海亀
・・・次に悟浄が行ったのは、沙虹隠士のところだった。これは、年を経た(イ)蝦の精で、すでに腰が弓のように曲がり、半ば河底の砂に埋もれて生きておった。悟浄はまた、三月の間、この老隠士に侍して、身の廻りの世話を焼きながら、その深奥な哲学に触れることができた
・・・噂によれば、坐忘先生は常に坐禅を組んだまま眠り続け、五十日に一度目を覚まされるだけだという・・・悟浄が来てから四日めに先生は眼を開いた。すぐ目の前で悟浄があわてて立ち上がり、礼拝をするのを、見るでもなく見ぬでもなく、ただ二、三度瞬きをした。しばらく無言の対坐を続けたのち悟浄は恐る恐る口をきいた。「先生。さっそくでぶしつけでございますが、一つお伺いいたします。いったい『我』とはなんでございましょうか?」「咄(とつ)! ・・・」という烈しい声とともに、悟浄の頭はたちまち一棒を喰らった。渠はよろめいたが、また座に直り、しばらくして、今度は十分に警戒しながら、先刻の問いを繰返した・・・さて、それで厚い唇を閉じ、しばらく悟浄のほうを見ていたが、やがて眼を閉じた。そうして、五十日間それを開かなかった。悟浄は辛抱強く待った。五十日めにふたたび眼を覚ました坐忘先生は前に坐っている悟浄を見て言った。「まだいたのか?」悟浄は謹しんで五十日待った旨を答えた。「五十日?」と先生は、例の夢を見るようなトロリとした眼を悟浄に注いだが、じっとそのままひと時ほど黙っていた。やがて重い唇が開かれた。
「時の長さを計る尺度が、それを感じる者の実際の感じ以外にないことを知らぬ者は愚かじゃ。人間の世界には、時の長さを計る器械ができたそうじゃが、のちのち大きな誤解の種を蒔くことじゃろう。大椿の(2)ジュも、朝菌の(3)ヨウも、長さに変わりはないのじゃ。時とはな、我々の頭の中の一つの装置じゃわい」 そう言い終わると、先生はまた眼を閉じた。五十日後でなければ、それがふたたび開かれることがないであろうことを知っていた悟浄は、睡(ねむ)れる先生に向かって恭々しく頭を下げてから、立去った。・・・
・・・一人の若者が叫んでいた。「我々の短い生涯が、その前とあととに続く無限の大永劫の中に没入していることを思え。我々の住む狭い空間が、我々の知らぬ・また我々を知らぬ・無限の大(4)コウボウの中に投げ込まれていることを思え。誰か、みずからの姿の微小さに、おののかずにいられるか。我々はみんな鉄鎖に繋がれた死刑囚だ。毎瞬間ごとにその中の幾人かずつが我々の面前で殺されていく。我々はなんの希望もなく、順番を待っているだけだ。時は迫っているぞ。その短い間を、自己欺瞞と酩酊とに過ごそうとするのか? 呪われた卑怯者め!その間を汝の惨めな理性を恃んで(ウ)自惚れ返っているつもりか? 傲慢な身の程ほど知らずめ! 噴嚏(くしゃみ)一つ、汝の貧しい理性と意志とをもってしては、左右できぬではないか。」
・・・白皙の青年は頬を紅潮させ、声を(エ)嗄らして叱咤した。その女性的な高貴な風姿のどこに、あのような激しさが潜んでいるのか。悟浄は驚きながら、その燃えるような美しい瞳に見入った。渠は青年の言葉から火のような聖い矢が自分の魂に向かって放たれるのを感じた。・・・
・・・最初の一撃にしくじった妖怪の怒りに燃えた貪食的な顔が大きく迫ってきた。悟浄は強く水を蹴って、泥煙を立てるとともに、(5)ソウコウと洞穴を逃れ出た。苛刻な現実精神をかの獰猛な妖怪から、身をもって学んだわけだ、と、悟浄は(オ)顫えながら考えた。 
・・・隣人愛の教説者として有名な(6)ムチョウコウシの講筵に列したときは、説教半ばにしてこの聖僧が突然饑えに駆られて、自分の実の子(もっとも彼は蟹の妖精ゆえ、一度に無数の子供を卵からかえすのだが)を二、三人、むしゃむしゃ喰べてしまったのを見て、仰天した。慈悲忍辱を説く聖者が、今、衆人環視の中で自分の子を捕えて食った。そして、食い終わってから、その事実をも忘れたるがごとくに、ふたたび慈悲の説を述べはじめた。忘れたのではなくて、先刻の飢えを充たすための行為は、てんで彼の意識に上っていなかったに相違ない。ここにこそ俺の学ぶべきところがあるのかもしれないぞ、と、悟浄はへんな理窟をつけて考えた。俺の生活のどこに、ああした本能的な没我的な瞬間があるか。渠は、貴き訓を得たと思い、(7)ヒザマズいて拝んだ。
・・・蒲衣子(ほいし)の庵室は、変わった道場である。僅か四、五人しか弟子はいないが、彼らはいずれも師の歩みに倣うて、自然の(8)ヒヤクを探究する者どもであった。探求者というより、陶酔者と言ったほうがいいかもしれない。彼らの勤めるのは、ただ、自然を観て、しみじみとその美しい調和の中に透過することである。
「まず感じることです。感覚を、最も美しく賢く洗煉することです。自然美の直接の感受から離れた思考などとは、灰色の夢ですよ。」と弟子の一人が言った。
「心を深く潜ませて自然をごらんなさい。雲、空、風、雪、うす碧あおい氷、紅藻の揺れ、夜水中でこまかくきらめく(9)ケイソウ類の光、(10)オウム貝の螺旋、紫水晶の結晶、柘榴石の紅、螢石の青。なんと美しくそれらが自然の秘密を語っているように見えることでしょう。」彼の言うことは、まるで詩人の言葉のようだった。
 寐たのでもなく、さりとて覚めていたのでもない。悟浄は、魂が甘く疼くような気持で茫然と永い間そこに蹲っていた。そのうちに、渠は奇妙な、夢とも幻ともつかない世界にはいって行った。水草も魚の影も卒然と渠の視界から消え去り、急に、得もいわれぬ蘭麝の匂いが漂うてきた。と思うと、見慣れぬ二人の人物がこちらへ進んで来るのを渠は見た。
 前なるは手に錫杖をついた一癖ありげな偉丈夫。後ろなるは、頭に宝珠(カ)瓔珞を纏い、頂に(キ)肉髻あり、妙相端厳、仄かに円光を負うておられるは、何さま尋常人とならずと見えた。さて前なるが近づいて言った。
 覚えず頭を垂れた悟浄の耳に、美しい女性的な声――妙音というか、梵音というか、海潮音というか、――が響いてきた。
「悟浄よ、(ク)諦らかに、わが言葉を聴いて、よくこれを思念せよ。身の程ほど知らずの悟浄よ。いまだ得ざるを得たりといいいまだ証しせざるを証せりと言うのをさえ、世尊はこれを増上慢とて難ぜられた。さすれば、証すべからざることを証せんと求めた爾のごときは、これを至極の増上慢といわずしてなんといおうぞ。爾の求むるところは、阿羅漢も(ケ)辟支仏もいまだ求むる能わず、また求めんともせざるところじゃ。哀れな悟浄よ。いかにして爾の魂はかくもあさましき迷路に入ったぞ。正観を得れば浄業たちどころに成るべきに、爾、心相(コ)羸劣にして邪観に陥り、今この三途無量の苦悩に遭う。惟うに、爾は観想によって救わるべくもないがゆえに、これよりのちは、一切の思念を棄て、ただただ身を働かすことによってみずからを救おうと心がけるがよい。・・・」「悟浄出世」(中島敦)
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<syuusyuu 漢検1級 模擬試験問題 (27-③用) その8 標準解答>
(一)
1.けんち 2.びんびん 3.りゅうぼう 4.そうてい 5.きんせん 6.よえい 7.しょうしょう 8.きょくきん 9.はいすい 10.どうこう 11.すうしん 12.こうこう(虫の羽音) 13.えつ 14.わきょ(漢検よみ。「かきょ」も可か) 15.けいろ 16.しゅたん 17.せんじょ 18.はしゃ 19.だいおう 20.こうらん
21.つれあい 22.ひとえ 23.あしげ 24.おおあめ 25.まつ 26.すじ 27.こびん 28.おか 29.むら 30.ふえ
(二)
1.矍鑠 2.病羸 3.匍匐 4.嘸 5.耄碌 6.改刪 7.颯爽 8.肯綮 9.箴言 10.森厳 11.僭称 12.先蹤 13.賞辞・頌辞 14.聳峙 15.霎時
(三)
1.纐 2.籡 3.魞 4.聢 5.鯐
(四)
1.短臂 2.内嬖 3.婚媾 4.反汗 5.腐毫
 (五)
問1
1.藍縷 2.棋布 3.巾幗 4.薫炙 5.篆刻 6.栄諧 7.竜蟠 8.澆季 9.糶糴 10.葉公
問2
11.オ 12.キ 13.コ 14.ア. 15.エ
(六)
1.つばき 2.へくそかずら 3.このこ 4.ちょろぎ 5.ほんだわら 6.いせ 7.おもだか 8.きめ 9.ひらで 10.はなづら
(七)
1.けんれん 2.こいした 3.ちりゃく 4.う 5.かんかく 6.ふせ 7.かくじ 8.みみき 9.きゅうもん 10.ただ
(八)
1.遐齢 2.諷経 3.宴(燕)座 4.鰥夫 5.荼毒 6.過褒 7.奸慝・姦慝 8.急湍 9.触衣 10.碧天 
(九)
1.艾栄 2.衢道 3.頤養 4.紺屋 5.瞽叟 6.籌策 7.櫃 8.遺 9.庖丁(「包丁」でも可かも) 10.権者
(十)
(1)巨鼇 (2)寿 (3)夭  (4)広袤 (5)愴惶(倉皇・蒼惶) (6)無腸公子 (7)跪 (8)秘鑰 (9)珪藻 (10)鸚鵡 
(ア)じきとつ (イ)えび (ウ)うぬぼ (エ)か (オ)ふる (カ)ようらく (キ)にくけい (ク)つまび (ケ)びゃくしぶつ (コ)るいれつ 
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